【12月5日 AFP】2010年の化石燃料とセメント産業による二酸化炭素(CO2)排出量は、開発途上国での急増を受け、前年比5.9%増加して過去最大になったとする論文が、4日付の英科学誌「ネイチャー・クライメートチェンジ(Nature Climate Change)」に発表された。

 10年の化石燃料燃焼とセメント生産による年間CO2排出量は推計91億トンで、史上初めて90億トンを超えた。また前年比の増加幅も過去最大だった。

 08年に起きた世界金融危機の影響で、09年には前年比1.4%の減少に転じていたが「わずか1年後には、2000年代の大半を通じて世界的にみられたCO2排出量の増加傾向に対して、世界金融危機の影響はほぼなくなった」と研究チームは述べている。また、排出量が再び急増したことは、エネルギー価格の下落と、景気回復を目的とした財政出動があったことで説明が可能だと指摘している。

 研究チームを率いたのは、ノルウェーの国際気候環境研究センター(Center for International Climate and Environmental Research)のグレン・ピーターズ(Glen Peters)氏。(c)AFP