【11月6日 AFP】今年の春、英イングランド地方沿岸で相次いで起きた地震は、水圧破砕法(フラッキング)と呼ばれる方法による天然ガスの掘削によって引き起こされていた可能性が「極めて高い」という報告が2日、発表された。

 英エネルギー会社クアドリア・リソーシズ(Cuadrilla Resources)は、同社がイングランド地方北西部ランカシャー(Lancashire)沿岸で行った水圧破砕法による天然ガスの掘削によって、いくつかの弱い地震が引き起こされた可能性が極めて高いと発表した。

 同地域では4月にマグニチュード(M)2.3、5月に同1.5の地震が記録された。同社は独立した外部の専門家チームに委託した調査報告書を引用し、「採掘現場の地質に、操業時に注入された水の圧力が加わるという、珍しい条件が重なったことがこれらの地震の原因」だと発表した。また「こうした条件がそろうことは極めて珍しいので将来の掘削現場で同じことが起きる可能性は低い」としている。

 同社のマーク・ミラー(Mark Miller)社長は、報告書の結果を真摯に受け止めると述べた。

 水圧破砕法とは、天然ガスが閉じ込められている地下のシェール(頁岩)層に化学物質を含んだ水を注入してガスを取り出す掘削法。水質汚染を起こすという批判がある一方で、エネルギー業界はガスの価格を引き下げられると主張している。

 米国では前月、水圧破砕法によって生じる廃水排出に関する国内基準を策定する計画を政府が発表している。(c)AFP

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