【10月24日 Relaxnews】気候変動問題の専門家や大企業の予測が正しければ、一杯のモーニングコーヒーやチョコレートバーといった愛され続けてきた食品が、過去の遺物になる可能性がある。

 科学者や農家、それに米コーヒーチェーン大手スターバックス(Starbucks)などは前週、気候変動がアラビカ種のコーヒー豆に深刻な脅威を及ぼしているとの厳しい警告を、英紙ガーディアン(Guardian)に寄せた。

 スターバックスのサステナビリティ(持続可能性)部門ディレクター、ジム・ハンナ(Jim Hanna)氏によると、農家はすでに気候変動の影響を受けており、激しいハリケーンや耐性菌などにより作物に大損害が出ているという。

 米科学者団体「憂慮する科学者連盟(Union of Concerned ScientistsUCS)」によると、気候変動は、世界の主要コーヒー生産地のほぼ全域で、コーヒーの収穫に脅威を及ぼしている。ハンナ氏は今週、UCSの提供で行われるイベントで、同様の発表をする予定だ。

 コーヒーの供給量は近年、気温上昇と干ばつの長期化、それに続く豪雨と作物の病気により劇的に減少している。UCSによると、たとえばインドのコーヒー生産量は2002年から2011年の間で30%近く減少した。

 生産の減少を受け、米スーパーで販売されるマックスウェルハウス(Maxwell House)やフォルジャーズ(Folgers)といったコーヒーブランドも、2010年と11年に価格を25%近く値上げした。

 スターバックスがコーヒー不足の危険性について厳しい警告を発したことは、同社がしぼりたてジュースビジネスに参入するとの米紙ニューヨーク・ポスト(New York Post)の報道をさらに沸騰させた。

■チョコレートも高価に?

 一方、国際熱帯農業センター(International Center for Tropical Agriculture)は前月、気候変動によりチョコレートがプレミアム価格のぜいたく品になる可能性があると警告する報告書を発表した。

 ガーナとコートジボワールは、2国で世界のココア供給量の半分以上を生産している。同報告書によると、西アフリカの気温上昇で、2050年までにココアの生産高が激減し、価格が急騰する危険性があるという。同研究は、慈善財団ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団(Bill and Melinda Gates Foundation)の資金提供で行われた。(c)Relaxnews/AFPBB News