【9月11日 AFP】米インターネット大手グーグル(Google)は8日、同社の提供するユーチューブ(YouTube)やGmail、インターネット検索、その他のインターネット「クラウド」サービスの運営に使っている電力量を明らかにするという前例のない一歩を踏み出した。

 グーグルのウルス・ヘルツル(Urs Hoelzle)テクニカルインフラストラクチャー担当上級副社長はブログ記事で「グーグルのサーバーが1か月に使う電力量は、1ユーザーあたりにすると、照明を3時間消し忘れるよりも少ない」と述べた。

「さらに当社は2007年以降はカーボンニュートラル(=大気中の二酸化炭素を増加させない)になっている。だから、そのわずかのエネルギー使用量も完全に相殺され、利用者がグーグルを使うことによる二酸化炭素排出量はゼロになる」

■自社のエネルギー使用の全体像を提示

 グーグルは自社サイト「グーグル・グリーン(Google Green)」に「ビッグピクチャー(全体像)」ページを追加し、同社のエネルギー使用や環境に配慮した取り組みの紹介を始めた。

 同ページによると、グーグルのデータセンターで100件の検索を処理する際の消費電力は60ワット電球を28分つけるのと同程度。また、ユーチューブを3日間ストリーミングすると、DVDを製造、梱包、配送するのと同程度のエネルギーを使用することになる。Gmailを1年間無料で提供するのにかかるエネルギーは、ワイン1本を飲み、空きボトルにメッセージを入れて海に流すときに消費されるエネルギーよりも少ない。

 ヘルツル氏は「われわれは、世界で最も効率の良いサーバーとデータセンターの1つを作り上げた。典型的なデータセンターの半分の電力しか使用しない」と付け加えた。

 また、ヘルツル氏によると、グーグルは可能な限り再生可能エネルギーを使用しており、米カリフォルニア(California)州マウンテンビュー(Mountain View)の本社には大型の太陽光パネルが設置されているという。

 さらにグーグルは再生可能エネルギープロジェクトへの投資で、グリーンエネルギー1.7ギガワットの創出に貢献。「これは住宅35万戸に電力を供給するのと同じ量で、われわれの事業が消費するエネルギーよりもはるかに多い」(ヘルツル氏)

 グーグルはクラウドベースのサービスを利用した方が企業は電気代を節約でき、エネルギー効率も良いことを示す事例として、これらのエネルギー統計を発表した。(c)AFP

【参考】グーグル・グリーンのページ(英語)