有名ブランド衣料品から有害物質検出、グリーンピース調査
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【8月25日 AFP】国際環境保護団体グリーンピース(Greenpeace)は23日、世界の有名衣料メーカー14ブランドの衣料品から、環境や人体に有害な化学物質を検出したと発表した。 グリーンピースは、スポーツ・衣料品ブランドの製品を調査したレポート「ダーティーランドリー2(Dirty Laundry 2)」の中で、検査したサンプルのうち3分の2から、ノニルフェノールエトキシレート(NPEs)と呼ばれる化学物質が検出されたと発表した。グリーンピースのLi Yifang氏によると、自然繊維、合成繊維を製造するときなどを含め、洗浄剤として工業使用されることが多い物質で「たとえ微量でも環境や人体の健康には脅威だ」という。 この物質に製品が汚染されていたとして同団体が挙げているブランドは、アディダス(Adidas)、ユニクロ(Uniqlo)、カルバン・クライン(Calvin Klein)、H&M、アバクロンビー&フィッチ(Abercrombie & Fitch)、ラコステ(Lacoste)、コンバース(Converse)、ラルフ ローレン(Ralph Lauren)。 世界自然保護基金(World Wildlife Fund、WWF)によると、NPEsに含まれる成分については、欧州の広い地域でオスの魚の「メス化」に関与している可能性が示唆されていたり、また一部のほ乳類ではホルモン分泌をかく乱する疑いがもたれている。 グリーンピースではブランド製品78着を購入し、調査を行った。生産国は計18か国だったが、多くは中国、ベトナム、マレーシア、フィリピン製だった。 NPEsの使用は欧州では制限されているが、グリーンピースのLi氏は「これは繊維を製造している開発途上国だけの問題ではない。使用が禁止されている国へも忍び込んでいる」と警告している。 この報告に合わせて香港のアディダスのショップ前では活動家らが、製品から有害化学物質を除去するよう同社に求めると同時に、購入の際に消費者に考えるよう訴えた。アディダスは前月にもグリーンピースが発表した別のレポートで、中国の大規模河川を汚染している企業として非難されている。(c)AFP/Sebastien Blanc 【関連情報】 ◆ナイキとアディダスの中国工場排水から有毒物質、長江など汚染と環境団体