【6月30日 AFP】生息地の南極から3000キロ離れたニュージーランドの浜辺で発見され、その後体調を崩していたコウテイペンギンの「ハッピーフィート(Happy Feet)」について、同国の専門家らは29日、南極に泳いで帰れるまでに体調が戻ったら海に戻す方針を固めた。

 若いオスとみられるこのペンギンは20日、同国北島のウェリントン(Wellington)近辺の浜辺で発見された。しかし、暑さに耐えかねて浜辺の砂や小枝を食べ、体調を崩してしまったため、ウェリントン動物園(Wellington Zoo)に搬送されていた。

 その後、普段は人間を治療しているトップレベルの外科医も参加した3回の手術を経て、容体が安定してきたという。

 ウェリントン動物園、ニュージーランド自然保護省(DoC)、マッセイ大学(Massey University)、そしてテパパ・トンガレワ(Te Papa Tongarewa)国立博物館の専門家らは29日、ハッピーフィートの今後を話し合うためにウェリントンに集結。そしてコウテイペンギンの生息域の北限に位置する、ニュージーランド南東の南洋に放す方針を固めた。

 DoCの報道官によると、動物園で飼育することや南極まで連れて行くことも検討されたが、コウテイペンギンを飼育するのにふさわしい施設はなく、また、現時点では氷上や海で過ごしているはずのコウテイペンギンを南極大陸に直接戻すことはふさわしくないと判断したという。

 しかし、ハッピーフィートが帰国の途につくのはかなり先になりそうだ。動物園の専門家は、ニュージーランドまでの長旅や砂を食べて内臓を傷つけたことでハッピーフィートの体重は激減しており、健康体に戻るまでには数か月かかるとみている。(c)AFP

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