【6月25日 AFP】スマートフォン(多機能携帯電話)で付近にいるコウモリの発する超音波を記録するアプリを、ロンドン動物学会(Zoological Society of LondonZSL)が公開した。

 このアプリ「iBats app」は、米アップル(Apple)のスマートフォン「iPhone」と、米グーグルの基本ソフト(OS)「アンドロイド(Android)」を搭載したスマートフォン向けに提供されている。超音波マイクなどの機器をスマートフォンに接続して使う。

 研究者たちは、このアプリを使えば、全世界に700人以上いるコウモリ追跡ボランティアの人びとの協力を得やすくなると語る。iBatプロジェクトは、英国や欧州東部、ウクライナ、ロシア、日本などで行われている。

 コウモリは食料を探したり空間を移動するために反響定位を用いている。アプリでは、900種以上のコウモリの「声」を記録することが可能だ。録音された音声はiBatsのウェブサイトにアップロードし、専門のソフトウエアで種を特定する。

 ZSLのiBatsプロジェクトマネージャー、ケイト・ジョーンズ(Kate Jones)氏は「コウモリとは野生生物の心電図のようなもの」と語る。「コウモリの存在は、環境の健康状態について多くのことを教えてくれる。コウモリは昆虫を食べたり、多くの植物の授粉媒介者としての役割を担ったりしているからだ」

 iBatsプロジェクトは、英政府のダーウィン・イニシアチブ(Darwin Initiative)とリーバーヒュームトラスト(Leverhulme Trust)から資金提供されている。(c)AFP