【6月19日 AFP】国際環境保護団体グリーンピース(Greenpeace)は17日、韓国政府に対し、安全性への懸念から、首都ソウル(Seoul)の南東325キロにある同国で最も古い原発、古里原子力発電所1号機を速やかに停止するよう要求した。

 活動船「虹の戦士(Rainbow Warrior)号」で韓国沿岸の原発立地地域をまわって原発周辺地域の住民たちとの連帯を示す脱原発キャンペーンを行ったグリーンピースは、韓国の代表的な環境保護団体「環境運動連合(Korean Federation of Environmental Movement)」と、古里1号機の即時停止を求める共同声明を発表した。

 1978年から稼働している古里1号機は、2007年から10年間の稼働期間の延長が認められた。声明は「老朽化した原子炉に伴う多大な危険性をかえりみずに延長された」と批判している。

 また東京電力(TEPCO)福島第1原発1号機も東日本大震災で事故を起こす前に10年間の稼働期間延長が認められていたことを挙げ、古里1号機と経緯が似ていると指摘した。

 グリーンピース東アジア支部の原子力の専門家、ハリ・ラミ(Harri Lammi)氏は「韓国政府は原発を段階的に廃止して、危険な原子力ギャンブルを止めなければならない」と語るとともに、クリーンな再生可能エネルギーへ一足飛びに移行して安全な未来をもたらすために必要な技術力を、韓国は十分に備えているとも述べた。(c)AFP