【6月10日 AFP】英国で、ごみ箱に小型カメラを装着するプロジェクトを通じて大学生の生活をリサイクル型に変えようという試みが進められている。

 英イングランド北東部にあるニューカッスル大学(Newcastle University)の研究者らは8日、学生の住宅5軒のキッチンのごみ箱に「ビンカム」(BinCam、binはごみ箱の意)を取り付けたと発表した。
 
 プロジェクトでは、小型センサーを搭載したカメラ付き携帯電話を使って、ごみ箱の蓋が閉まるたびに画像を撮影。これらの画像を米SNSフェイスブック(Facebook)に掲載することで、学生が自分たちが捨てたものをモニターできるようにした。フェイスブックのページには、各住宅でどれだけリサイクルの努力ができているかを競争するコーナーも設けた。

 このプロジェクトが学生を対象とした理由は、リサイクルに最も熱心でない年齢層が18~34歳だという調査結果が出たからだ。

 プロジェクトは開始早々、成功を収めている。当初、捨てられたごみの中にはピザの空き箱やビール缶など、リサイクルできるものが多かった。しかし2週間後にはリサイクルに回されるものが増え、ごみ箱が空のままの状態になることもたびたび起きるようになった。

 プロジェクトを率いるコンピューターサイエンス専攻の大学院生アーニャ・ティーメ(Anja Thieme)さんは「ごみ箱が自分を監視しているような気がして、捨てる前に考え直すようになったと学生たちは言っている。写真をフェイスブックに掲載することで、自省というか、リサイクル意識を思い出させようという試みだ。自分の肩の上に良心が乗っかっていて、注意をしてくれる、みたいな感じで」と語っている。(c)AFP