【2月17日 AFP】中国誌「新世紀(New Century)」の今週号に、中国で生産されるコメのうち最大約1割がカドミウムなど有害な重金属に汚染されていると警告する記事が掲載された。

 この記事は全国規模の急激な経済成長に由来する公害のために、大量の中国産米がカドミウム、ヒ素、水銀などの有害な重金属に汚染されているとする複数の研究を引用した。

 2007年以降、鉱山や工業地帯が近くにあり、高齢者を中心に骨疾患などの症状を呈する住民がいる中国南部の複数の村で調査が行われた。

 汚染米の比率が特に高い地域もある。記事に引用された研究のいくつかを率いた南京農業大学(Nanjing Agricultural University)の研究者、潘根興(Pan Genxing)氏は、汚染の度合いがひどいことが知られている酸性土壌の地域では、コメのサンプルの6割から安全基準値を超えるカドミウムが検出されたと話す。

 カドミウムが政府の基準の5倍に達する例もあったが、真の問題は急性毒性よりもむしろ潜在的な健康リスクにあると言う。カドミウム汚染のリスクが最も高いのは、汚染地域でコメを柱に自給自足している貧しい農家の人びとだと潘氏は指摘する。

 同誌はこうした健康被害の可能性について、公式な調査はいっさい行われたことがないと糾弾している。(c)AFP