【1月31日 AFP】ブラジル政府環境当局は26日、環境活動家や先住民らが反対運動を続けている巨大水力発電ダムの建設に必要な「インフラ整備」の着手を承認した。一方、検察当局は、承認差し止めを求める訴えを起こした。

 問題となっているのは同国北部パラ(Para)州のベロモンテ(Belo Monte)ダム。総工費は150億ドル(約1兆2000億円)規模で、完成すれば世界3位の大きさになる。

 政府が今回承認したのは、電力公社エレクトロブラス(Electrobras)の子会社が中心となる企業連合ノルテ・エネルギア(Norte Energia)による森林地帯約600エーカー(約2.4平方キロ)の伐採と、アマゾン(Amazonj)川支流のシングー(Xingu)川へ向かう道路の建設。

■『アバター』のキャメロン監督も反対

 映画『アバター(Avatar)』のジェームズ・キャメロン(James Cameron)監督らダム建設反対派はこのダムは採算が合わない上、ダム建造でシングー川流域に暮らす1万6000人が移住しなければならなくなると反対している。

 一方、同国検察官のフェリシオ・ポンテス(Felicio Pontes)氏は、ダム建設で環境が悪化する地域の復興計画など、すでに合意済みの条件がまだ満たされていないとして、承認差し止めを求める訴えを起こした。

 ブラジル政府は、同国の経済成長にはベロモンテダムが不可欠だと主張。先住民の土地は脅かされておらず、ダム建設による社会的環境的な影響を抑えるために数百万ドル(数億円)規模の支出をしていると説明している。(c)AFP

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