【1月26日 AFP】ニューヨーク(New York)、ロンドン(London)、上海(Shanghai)といった大都市の1人当たりの温室効果ガス排出量は、デンバー(Denver)やロッテルダム(Rotterdam)などよりも少ないとする論文が、25日の学術誌「Environment and Urbanization(環境と都市化)」に発表された。

 研究者らは、33か国100都市について、大気汚染などに関するデータを調べた。

 世界の温室効果ガス排出量の約71%が都市部から排出されているという事実の裏で、移動手段を車よりも公共交通機関に頼ることのできる一部の都市では、1人当たり排出量が都市の中でも少なかった。

 一例として、米西部に広大な面積を誇るデンバーの1人当たり排出量(二酸化炭素換算量)は21.5トン。これは人口800万人で地下鉄利用者が多いニューヨークの約2倍で、上海(11.2)、パリ(Paris、5.2)、アテネ(Athens、10.4)も上回った。 

 なお、中国都市部の排出量平均は世界平均を大きく上回っており、中国全体の3.4トンをも上回った。なかでも、北京(Beijing)は10.1トンと突出していた。

■東京はカナダの5.6倍効率が良い

 GDP当たりの温室効果ガス排出量を見てみると、東京都民はカナダ人より5.6倍も効率が良いことがわかった。 

 オランダ・ロッテルダムは、港町であること、重工業が盛んなことなどが影響し、1人当たり排出量は29.8トンと、都市部の中でも多かった。

 この他、寒冷気候の都市は1人当たり温室効果ガス排出量が多い、低・中所得国の排出量は富裕国より少ない、などの傾向も明らかになった。(c)AFP