【1月12日 AFP】ジャイアントパンダが、木々が伐採された後に再生した二次林よりも、古い原生林を好むとする研究結果が、12日の英国王立協会(British Royal Society)の専門誌「バイオロジー・レターズ(Biology Letters)」に掲載された。パンダの繁殖研究に、新たな光明となりそうだ。  中国科学院(Chinese Academy of Sciences)の研究チームが、パンダが生息する四川(Sichuan)省の山岳地帯で4年間わたってフィールドワークを実施。糞(ふん)や植物が踏みつけられた跡など、パンダ生息の形跡と、それが発見された森林の種別を記録した。  その結果、予想通り、パンダは主食の竹が豊富な場所に多く生息していたが、もう1つ特筆すべき発見があった。それは、伐採後に再生した二次林よりも、自然のままの原生林の方に、パンダが多く生息しているという点だった。  老木のそばに生える竹は栄養価が高いことや、老木の幹にできたうろ(洞穴)が出産する雌パンダの巣穴に適していることなどが、理由として考えられるという。    パンダの生息地域における森林伐採は、10年以上も前から全面的に禁止されている。だが、中国政府は現在、この方針の継続の可否を検討していることから、今回の発見が示唆するところは大きい。(c)AFP