【12月26日 AFP】中国は農業生産が自然災害の影響を受けにくくするため、2011年に300億ドル(約2兆5000億円)を水資源保全事業に費やす計画を立てている。25日の中国国営英字紙チャイナ・デーリー(China Daily)が陳雷(Chen Lei)水利相の話として報じた。

 予算規模は前年比10%増で、水利施設の改修や気象災害対策なども行うという。同紙によると、中国は過去5年間に1000億ドル(約8兆3000億円)以上を水資源保全事業に費やしてきた。

 ことし中国では水害や干ばつが相次ぎ、農業が大きな影響を受けた。食料価格は前年比で12%近くも上昇し、代表的なインフレ指標である消費者物価指数(CPI)の上昇率は11月に前年同月比5.1%となり、同6.3%だった2008年7月以来の高水準となった。

 災害が相次いだため、この冬に食料援助を必要とする人は8000万人あまりに上ると中国政府は推定している。中国農業科学院(Chinese Academy of Agricultural SciencesCAAS)の唐華俊(Tang Huajun)副院長は前月、気候変動がこのままの勢いで続けば中国の農業生産は2030年までに5~10%減少する恐れがあると警告した。

 環境保護団体グリーンピース(Greenpeace)は、中国は2030年までに食料供給不足に陥り、2050年までに食料全体の生産量は23%落ち込むとの報告を発表している。(c)AFP