シロクマも「雑種化」、気候変動で北極圏ほ乳類の異種交配進む
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【12月16日 AFP】気候変動の影響で、ホッキョクグマなど北極圏に住むほ乳類が近縁種と交配を余儀なくされ、一層絶滅へと追いやられているとの論文が、15日の英科学誌ネイチャー(Nature)に発表された。
北極圏における温暖化の影響は地球の他の地域より2~3倍深刻で、ほ乳類の生息環境を大きく変化させている。特に、氷冠の縮小は、ホッキョクグマを通常の狩り場の外へ追いやっている。氷冠は、温室効果ガスの排出量の大幅削減が実現しない限り、今世紀末までに夏季には消滅する見込みだ。
北極圏のほ乳類種がどの程度まで異種交配しているかは未確認だが、論文を執筆した米海洋大気局(US National Oceanic and Atmospheric Administration、NOAA)のブレンダン・ケリー(Brendan Kelly)氏によると、重要性をはらんだ例は多く発見されている。
2006年には、グリズリー(ハイイログマ)とホッキョクグマの交配種「ピズリー(pizzly)」1頭が発見された。今年も、猟師が撃ち殺したクマ1頭から、両方を掛け合わせたDNAが確認されている。
09年には、ホッキョククジラとセミクジラの交配種と見られるクジラがベーリング海(Bering Sea)で撮影された。セミクジラの生息数は200頭以下で、ホッキョククジラはこれよりはるかに多いと考えられている。だが、ホッキョククジラとの交配により、セミクジラは急速に絶滅に向かっていると、研究者らは警鐘を鳴らしている。
■交配は進化をけん引するが・・・
ケリー氏によると、交配は必ずしも悪いことではない。それどころか進化の促進において中心的な役割を果たしてきた。ただし、人間活動が原因の場合、交配は短期間に進む傾向があり、遺伝的多様性が大幅に低下してしまう。
「ピズリー」の場合、アザラシを狩るというホッキョクグマの本能を持ちながら、泳ぎが苦手なグリズリーの形態をも継承し、結果的に生存が難しくなる恐れがある。
ケリー氏らは、米国でアメリカアカオオカミとコヨーテの交配種に対して行われてきたように、交配種は可能な限り間引きするべきだと主張している。(c)AFP
北極圏における温暖化の影響は地球の他の地域より2~3倍深刻で、ほ乳類の生息環境を大きく変化させている。特に、氷冠の縮小は、ホッキョクグマを通常の狩り場の外へ追いやっている。氷冠は、温室効果ガスの排出量の大幅削減が実現しない限り、今世紀末までに夏季には消滅する見込みだ。
北極圏のほ乳類種がどの程度まで異種交配しているかは未確認だが、論文を執筆した米海洋大気局(US National Oceanic and Atmospheric Administration、NOAA)のブレンダン・ケリー(Brendan Kelly)氏によると、重要性をはらんだ例は多く発見されている。
2006年には、グリズリー(ハイイログマ)とホッキョクグマの交配種「ピズリー(pizzly)」1頭が発見された。今年も、猟師が撃ち殺したクマ1頭から、両方を掛け合わせたDNAが確認されている。
09年には、ホッキョククジラとセミクジラの交配種と見られるクジラがベーリング海(Bering Sea)で撮影された。セミクジラの生息数は200頭以下で、ホッキョククジラはこれよりはるかに多いと考えられている。だが、ホッキョククジラとの交配により、セミクジラは急速に絶滅に向かっていると、研究者らは警鐘を鳴らしている。
■交配は進化をけん引するが・・・
ケリー氏によると、交配は必ずしも悪いことではない。それどころか進化の促進において中心的な役割を果たしてきた。ただし、人間活動が原因の場合、交配は短期間に進む傾向があり、遺伝的多様性が大幅に低下してしまう。
「ピズリー」の場合、アザラシを狩るというホッキョクグマの本能を持ちながら、泳ぎが苦手なグリズリーの形態をも継承し、結果的に生存が難しくなる恐れがある。
ケリー氏らは、米国でアメリカアカオオカミとコヨーテの交配種に対して行われてきたように、交配種は可能な限り間引きするべきだと主張している。(c)AFP