【12月2日 AFP】米環境保護団体シー・シェパード(Sea Shepherd)は1日、南極海における今季の日本の調査捕鯨に対する反捕鯨活動に、抗議船「ゴジラ(Gojira)」を新たに投入すると発表した。

 「ゴジラ」はオーストラリア船籍の黒色の単胴船で全長33メートル。シー・シェパードのオーストラリア人メンバー、ジェフ・ハンセン(Jeff Hansen)氏によると、船体が重過ぎないため、日本の捕鯨船を高速で追い回すことができるという。

 昨季の反捕鯨活動に投入された超高速抗議船アディ・ギル(Ady Gil)号は1月、日本の調査捕鯨船団監視船・第2昭南丸(Shonan Maru II)と衝突して大破し、沈没している。

 「ゴジラ」は以前、「ケーブル&ワイヤレス・アドベンチャー(Cable & Wireless Adventure)」という船名で、80日以内の世界一周航海を達成している。今季からは兄貴分に当たる抗議船「ボブ・バーカー(Bob Barker)」号と「スティーブ・アーウィン(Steve Irwin)」号とともに、南半球で日本の捕鯨船を追跡するという。

 ハンセン氏によると、船体の大きい「ボブ・バーカー」号と「スティーブ・アーウィン」号が2日、タスマニア(Tasmania)島を先に出港し、数日後に「ゴジラ」が合流する。

 シー・シェパードは今季、抗議船隊は日本の捕鯨船よりも先に南極海に到達するとみている。日本の調査捕鯨シーズンは通常、12月から翌年の3月まで続く。

 昨季の捕鯨シーズンには1月6日、日本の第2昭南丸とアディ・ギル号が衝突し、船首が破損したアディ・ギル号が沈没するという事件が起き、緊張が走ったが、ニュージーランドの海上保安当局(Maritime New Zealand、MNZ)は、衝突の原因は双方に責任があると結論づけている。

 ハンセン氏は、この事件からシー・シェパードは貴重な教訓を得たと話した。「ゴジラ」の投入で、オーストラリア政府がクジラ保護運動にさらに本腰を入れることを期待しているという。(c)AFP