【10月27日 AFP】南米アマゾン(Amazon)の熱帯雨林には、存在を知られていなかった驚くべき生物たちが3日に1回の割合で発見されているとの調査報告書を世界自然保護基金(World Wide Fund for NatureWWF)が26日、発表した。

 名古屋で開かれている国連(UN)の生物多様性条約(Convention on Biological Diversity)第10回締約国会議(COP10)に合わせて発表された報告書は、アマゾンの森林伐採によって人間が気付かないうちに種の多様性が失われていく実態に光をあて、アマゾン保護の重要性を訴えるためにまとめたもの。

 報告書によると、1999年から2009年までの10年間にアマゾンで発見された新種の動植物は約1220種に上る。

■4メートルのヘビ、サルを食べるナマズなど

 なかでも注目される発見は、ボリビア・パンド(Pando)県の氾濫原に生息する体長4メートルのアナコンダ(大ヘビ)だ。アナコンダの新種発見は1936年以降、初めて。アナコンダの種そのものも、4種しか見つかっていない。

 色鮮やかなカエル、毒矢を持つカエル、半透明なカエルなどユニークなカエルも多種みつかっている。

 魚類も257種、見つかっており、ベネズエラでは、体長1.5メートル、重さ32キロもあるナマズが発見されている。通常、ナマズは小魚を食べているが、このナマズの胃からはサルの体の一部が見つかっている。

 反対に、ブラジルのロンドニア(Rondonia)州では、極小サイズの赤いナマズが発見されている。

 このほか、この10年で、蛍光色の青い鋏角を持つ茶色のクモなどクモが500種、ピンクのイルカ、サル、ヤマアラシなど哺乳類の新種39種が、アマゾンで見つかっている。(c)AFP/Karl Malakunas