【10月1日 AFP】独立行政法人「新エネルギー・産業技術総合開発機構(New Energy and Industrial Technology Development OrganisationNEDO)」と北海道大学(Hokkaido University)は9月30日、中国からの輸入にほぼ全面的に依存しているレアアース(希土類)を必要としない次世代ハイブリッド車用モーターを開発したと発表した。

 発表に先んじて、領土問題をめぐる日中の対立激化を受けて、中国が日本へのレアアース輸出を停止したとの報道があったばかり。これまで日本の自動車メーカーが開発してきたハイブリッド自動車や電気自動車は、モーター部分にレアアースを含む磁石が不可欠だった。

 NEDOと北大は声明で、一般の磁石を利用するモーターの開発に成功したと述べ、「安価なフェライト磁石だけで構成されているため、近年激しさを増す次世代自動車開発において、日本の産業競争力を高めること」が期待できると発表した。

 NEDOの小林氏はAFPの電話取材に応じ、フェライト磁石は、中国から輸入されたネオジムやジスプロシウムなどのレアアースを使用する希土類磁石と比べてコストは20分の1ほどに抑えられるものの、磁力が弱いと説明。そこで、磁力を逃さないようにする構造を新たに開発したという。

 実用化には数年かかる見通し。(c)AFP