【9月29日 AFP】地球上の植物の5分の1以上が絶滅の危機に瀕していると警告する国際自然保護連合(International Union for the Conservation of Nature and Natural ResourcesIUCN)などの調査結果が29日、発表された。

 この調査は、10月18日から29日まで名古屋で開催される国連の生物多様性条約第10回締約国会議を前に、植物保護活動の基準設定を目的として英国王立キュー植物園(Royal Botanic Gardens, Kew)と英自然史博物館(Natural History Museum)が合同で実施したもの。地球上の全植物約38万種のうち調査対象となったのは4000種あまりで、うち22%が絶滅危ぐ種と認定された。特に熱帯雨林で多くの植物が絶滅の危機にあるという。

 植物類の絶滅リスクはほ乳類と同程度で、鳥類より高いが、両生類やサンゴよりはリスクは低いという。

 最も絶滅が危ぐされる植物は、もみの木などの裸子植物だった。

 最大の絶滅リスクは、耕作地や家畜用の牧草地などの土地利用による生息地の破壊だ。リスクの81%が人的要因によるものだという。

■絶滅したほ乳類は実際には少ない

 一方、絶滅したほ乳類は、考えられているほど多くはなく、あとで再発見される場合が少なくないと結論づけた豪クイーンズランド大(University of Queensland)の研究結果が28日、英生物学専門誌「英国王立協会紀要(Proceedings of the Royal Society B)」で発表されている。

 クイーンズランド大のダイアナ・フィッシャー(Diana Fisher)氏とサイモン・ブロムバーグ(Simon Blomberg)氏が、1500年以降に絶滅したとされるほ乳類187種を調べたところ、67種は再び出現していたという。

 2人は、「外来種の天敵の出現や疫病、乱獲により姿を消した種よりは、生息地の減少により姿を消した種の方で、誤って絶滅したと判断されてしまう可能性が高いようだ」とみている。したがって、生息地破壊がほ乳類の絶滅に及ぼす影響は過大評価されている可能性があり、外来種では特にこうした傾向が強いという。(c)AFP/Mira Oberman