【9月7日 AFP】環境保護団体グリーンピース・ジャパン(Greenpeace Japan)は7日、都内で会見し、日本の調査捕鯨で捕獲した鯨肉が横流しされている問題を徹底調査するよう日本政府に求める声明を発表した。

 青森地裁は6日、グリーンピース・ジャパンのメンバー佐藤潤一(Junichi Sato、33)、鈴木徹(Toru Suzuki、43)両被告に、運送会社から鯨肉を持ち出した窃盗と建造物侵入の罪で、それぞれ懲役1年、執行猶予3年の有罪判決を言い渡した。2人は、犯罪行為や個人的な利益のためではなく、公費で行われている調査捕鯨で得た鯨肉が横流しされている事実を公にするためだったとして、控訴している。

 グリーンピースは、2人は、ベテランの捕鯨船員から科学調査目的の捕鯨で捕獲した鯨肉が、違法に捕鯨業者や政治家、官僚らに横流しされているとの情報を得て、この事実を証明するため鯨肉を持ち出したと説明している。

 グリーンピースのクミ・ナイドゥ(Kumi Naidoo)事務局長は、「民主党政権が、かつて主張していた通りに、汚職と徹底的に戦うならば、閣僚や国会議員、高級官僚、誰であろうと、汚職への関与が疑われれば、躊躇せず独立した調査を行うべきだ。これをしなければ、国際社会における日本のイメージは著しく損なわれるだろう。今回の問題で日本のイメージは損なわれたと私は思う」と訴え、鯨肉の横流し問題の徹底調査を求めた。(c)AFP