【7月30日 AFP】米インターネット検索エンジン大手グーグル(Google)系の非営利団体で、宇宙開発などを支援している「Xプライズ財団(X Prize Foundation)」が今度は、その関心と豊富な資金を地球に向けている――賞金140万ドル(約1億2100万円)をかけ、メキシコ湾に流出したような大量の原油の除去方法に新アイデアを募るコンテストを主催する。

 コンテストはエリック・シュミット(Eric Schmidt)グーグル最高経営責任者(CEO)の妻で、賞金を出資するウェンディさんの名前を冠し「ウェンディ・シュミット原油クリーンアップXチャレンジ(Wendy Schmidt Oil Cleanup X Challenge)」と銘打たれている。

 英エネルギー大手BPの掘削施設の事故でメキシコ湾に流出した大量の原油を、時代遅れの技術で除去しようという試みを見て、ウェンディさんは「ばらばらで行き当たりばったり」だと不満を抱いた。コンテストでは、将来また原油が流出した場合に有効な新たな除去方法のアイデアを、8月1日から1年間かけて募集する。応募するチームはXプライズ財団のサイト(xprize.org)から、流出原油の対処・除去法の計画を提出する。

 Xプライズ財団は2004年には航空宇宙エンジニアのバート・ルータン(Burt Rutan)氏が設計した飛行機を宇宙飛行させるプロジェクトなど、これまでにも豊富な資金を活用した懸賞金コンテストを行っている。

 審査は専門家の委員会が担当し、応募された計画について実行可能性やコスト、効率性や環境との親和性、大規模な動員に向いているかどうかといった基準で評価。2011年半ばまでに数候補まで絞り込んだ後、ニュージャージー(New Jersey)州の国立試験場において各チームの直接対決で、原油で汚染された水を浄化する実験を行う。優勝賞金は少なくとも100万ドル(約8600万円)。2等は30万ドル(約2600万円)、3等は10万ドル(約860万円)の賞金となっている。(c)AFP