【7月16日 AFP】オーストラリア・グレートバリアリーフ(Great Barrier Reef)の海底で先史時代から生き続けている海洋生物を、豪クイーンズランド大(University of Queensland)の研究チームが発見し、15日、写真など概要を発表した。

 オスプレイリーフ(Osprey Reef)の海面下1400メートルの海底で遠隔操作カメラがとらえたのは、古代サメ、巨大なバラムツ、群生する甲殻類、貝殻を持った原始的なイカ「ノーチラス」などが生息する驚くべき世界だった。

 研究チームのジャスティン・マーシャル(Justin Marshall)氏によると、特別に開発されたこの微光・高感度カメラによって、6つのえらを持つ先史時代のサメなど、これまで知られていなかった魚類を複数発見した。

 この研究は、海の温暖化の脅威にさらされている海洋種を記録するプロジェクトの一環で行われているもの。科学者らは、温暖化と化学物質の流入で海洋生物に個体数の減少や病気の蔓延が起きており、観光資源でもあるこの34万5000平方キロの海域は深刻な危機に直面していると、警鐘を鳴らしている。

 4月には、グレートバリアリーフ付近を航行していた中国船籍の船が座礁し、サンゴ礁に3キロにおよぶ傷をつけ、重油2トンが流出する事故があった。前年3月にも、香港船籍の船が座礁して約20万リットルの重油が流出する事故が起きている。(c)AFP