【6月22日 AFP】国際捕鯨委員会(International Whaling CommissionIWC)の年次総会が21日、モロッコのアガディール(Agadir)で開幕した。商業捕鯨の全面禁止措置を廃止するかどうかが焦点となっているが、全体会合は直ちに休会となり、加盟88か国は非公開の協議に入っている。

 協議が行われているIWC議長の提案は、24年間にわたる対立を解消し、捕獲数削減を図ることを目指している。

 日本、ノルウェー、アイスランドは、1986年から実施されている商業捕鯨モラトリアム(一時停止)を事実上無視し、2008~09年シーズンだけで1500頭以上のクジラを捕獲している。

 日本政府は妥協点を見いだしたいとしながらも、限界を設けている。舟山康江(Yasue Funayama)農林水産政務官は、日本は交渉の最終結果として捕獲量がゼロになることは受け入れられないと語った。

 交渉の基準となっている議長案は、2020年までにクジラ4種の年間捕獲量を削減しいくとともに、最初の5年間の年間捕獲量を08~09シーズンの90%強までとし、2015年から2020年までに段階的に削減していくというもの。IWCはこの案で捕鯨推進国を説得したい構えだ。

 ドイツや英国を始めとする欧州諸国は、日本が捕獲量削減に前向きな態度を取っていることを評価しながらも、十分ではないとの見方を示している。(c)AFP/Marlowe Hood