【6月19日 AFP】地球環境ファシリティー(Global Environment FacilityGEF)は17日、チャドの首都ヌジャメナ(Ndjamena)でアフリカの砂漠化を食い止めるための「緑の壁プロジェクト(Great Green Wall)」に関する初の首脳会議を開き、計1億1900万ドル(約108億円)を支援すると発表した。

 プロジェクトは、西はセネガルから東はジブチまで7100キロ以上に渡って樹を植え、平均して幅15キロほどの森林を作っていくというもので、07年にアフリカ連合(African UnionAU)により採択された。砂漠化防止のほかにも、土壌の劣化を防ぎ、サハラ砂漠南縁のサヘル地域の貧困を解消するといった目的もあるという。

 会議には、プロジェクトに参加するブルキナファソ、チャド、ジブチ、エリトリア、エチオピア、マリ、モーリタニア、ニジェール、ナイジェリア、セネガル、スーダンの11か国の首脳が出席した。

 会議の冒頭、チャドのイドリス・デビ(Idriss Deby)大統領は、「プロジェクトはアフリカ人によるアフリカ人のためのもの。アフリカなりに地球温暖化対策に貢献できるものでもある」と述べた。

 セネガルのアブドゥラエ・ワッド(Abdoulaye Wade)大統領は、「砂漠はがんに侵された状態。だからこそ共に戦わなければならない」とスピーチした。

 地球環境ファシリティーは、今回発表した支援額を、11か国に相応に配分するとした。同組織は地球規模の環境問題に取り組む国際的資金メカニズムで、182か国の政府のほか、国際機関、NGO、民間企業なども参加している。(c)AFP

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