【5月12日 AFP】気候変動で、今後わずか300年の間に、地球の大部分で人が住めなくなるほどの高温になる可能性があるとする論文が、11日の米科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of SciencesPNAS)に掲載された。

 オーストラリア・ニューサウスウエールズ大(University of New South Wales)と米パデュー大(Purdue University)の研究チームは論文で、気温の上昇により一部の地域では人間の適応も生存も不可能になる可能性があるとしている。

 スティーヴン・シャーウッド(Steven Sherwood)教授は、2300年までに地球の平均気温が7度上昇する可能性を指摘している。今世紀中に7度上昇する可能性はないが、化石燃料の燃焼という行為が続けば2300年までに7度上昇する可能性は高くなるという。

 研究は、従来の研究よりも長期において、気温のみならず湿度の上昇の影響も考慮した「熱ストレス」に焦点をあてている。

 この論文についてオーストラリア国立大学(Australian National University)の学者らは、「気温上昇は2100年になっても止まらず、現実的なシナリオでは2300年までに12度を超えて上昇する可能性がある」とする予測を付け加えている。(c)AFP