WWF、ソチ冬季五輪の環境対策に懸念表明 協力中止も示唆
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【2月17日 AFP】国際環境保護団体の世界自然保護基金(World Wide Fund for Nature、WWF)は16日、2014年にロシア南部ソチ(Sochi)で開かれるソチ冬季五輪について、ロシア政府が自然環境を無視して準備を進めているとの懸念を表明し、抗議のために協力を中止する可能性も示唆した。
WWFのロシア支部は、「五輪準備は暴走状態で、建設の質は低く、環境に大きなダメージを与えている」と指摘し、ロシア政府がソチのインフラ整備を急ピッチで進めて行く上で、自然環境に「多大な負担」を強いていると非難した。 WWFによると、数万ヘクタールの自然保護区内で建設が進められているほか、未開発の森林も十分な補償措置がなされないまま、道路が造られているという。
WWFは、グリーンピース(Greenpeace)などの環境保護団体とともに、この問題についてロシア政府当局とくり返し協議を行って提案を行ってきたが、提案がことごとく無視されている以上、協力を続けることは「疑問だ」としている。 一方、五輪施設建設を統括する国営企業「オリンプストロイ(Olimpstroi)」は、環境への懸念を無視してはいないとしている。さらに、政権与党「統一ロシア(United Russia)」幹部も、「バンクーバー冬季五輪の時期に声明を発表して、わが国での冬季五輪に悪い印象を与えようとしている」として、WWFは愛国的ではないと批判した。
2007年にロシア初の冬季五輪開催地に選ばれて以来、ソチはインフラ整備の遅れや環境への懸念などの問題が指摘されている。(c)AFP