【2月9日 AFP】フィンランド環境機構(Finnish Environment Institute)は8日、土壌から放出される二酸化炭素がこれまでの予想以上に地球温暖化の原因となっている可能性があることが研究で明らかになったとして、気候変動予測の見直しを求める声明を発表した。

 同機構によると、北方の森林で放射性炭素測定を使った実験を行い、土壌中に豊富に含まれ分解も遅い化合物が気温の上昇には予想以上に敏感であることを見いだした。

 その結果、土壌からの二酸化炭素の放出量は、土壌への二酸化炭素流入量が増えず、地球の平均気温が今世紀末までに現行の予測通り5度上昇すると仮定して、現在の主要な計測方法で算出された量よりも最大で50%多くなる可能性があるとしている。

 同機構は、声明で「土壌から放出される二酸化炭素が温暖化に大きな影響を及ぼすことは知られているが、これまでの研究は短期的な測定を基にしているために、気候変動予測に偏りが生じてしまった」と述べている。

 なお、増加しつつある土壌からの二酸化炭素の放出量を相殺するために必要な森林バイオマスについて、これまでの研究は「70~80%増やす必要がある」としてきたが、同機構は「100~200%の増加が必要」としている。(c)AFP