【1月22日 AFP】オーストラリア当局は、同国タスマニア島にのみ生息し、顔などに悪性の腫瘍(しゅよう)ができる致死性の伝染病のため絶滅の危機にさらされているタスマニアデビルの個体数維持を目指し、健康な個体の一部を「バックアップ要員」として同島沖の2つの島に移すことを決定した。プロジェクトは今年から始まる。

 この悪性の腫瘍は、どう猛な性格で知られるタスマニアデビルが交尾や餌の取り合いでかみつくことで伝染、個体数はすでに約70%減少している。

 専門家らは健康なタスマニアデビルを集め、過去6年にわたり動物園で人工飼育し、「保険」としての個体数を220匹まで増やした。しかし前年5月、タスマニア州政府はタスマニアデビルを絶滅危惧(きぐ)種に指定。抜本的な対策の必要性が指摘されていた。(c)AFP