【1月6日 AFP】オオヒキガエルのメスは、オスの求愛を受けた際には体を大きく膨らまして体の小さなオスを振り落とすことが分かった。6日付の英国王立協会(Royal Society)専門誌「バイオロジー・レターズ(Biology Letters)」に、オーストラリアの生物学者が発表した。

 メスのカエルは、交尾のパートナー選びにおいて、従来考えられていたよりも強い力を発揮している可能性がある。

 シドニー大学(University of Sydney)のベンジャミン・フィリップス(Benjamin Phillips)氏が率いた研究チームの報告によれば、繁殖活動という点では、オスのカエルよりもメスの方に選択権があるようだ。

 メスガエルはパートナーに、最も力強い鳴き声を上げるオスガエルを選ぶ。しかし、ほかのオスガエルたちも、そのオスガエルのもとへ向かうメスガエルを黙って見届けることはしない。オスガエルたちは、メスガエルの背中に飛び乗って横取りし、メスをしっかりと捕まえ、メスが産卵するのを待つという。

 ここでメスからの驚きの一手が飛び出すのだと、フィリップス氏は語る。

 メスは体内の袋状の器官を膨張させて大きく膨らみ、つかまりきれなくなったオスは背中から落としてしまうのだ。

 報告書によれば、メスのカエルはこのような行為を通じて小さな体のオスをふるい落としている。というのも、オスとメスの体が同等の大きさである場合に、カエルの受精が最も成功するからだ。

 メスガエルが交尾の際に膨張することは以前から知られているが、これまでは、交尾の際にオスにけられたり、ひっくりかえされたりすることに対する反射行為だと考えられていた。(c)AFP