【12月23日 AFP】極地の気温が今より3~5度高かった約12万5000年前、海面は現在よりも8メートルほど高かった可能性があるとする研究結果が、16日の英科学誌「ネイチャー(Nature)」に発表された。

 米ハーバード大(Harvard University)とプリンストン大(Princeton University)の研究者らは、気温上昇の影響を探るため、約12万5000年前に絶頂を迎えた直近の間氷期に関するデータを再調査した。

 当時の極地の気温は現在よりも3~5度高く、気温が1~2度上昇するという現在の温暖化シナリオと比較することができる。

 その結果、このときの世界の海面は現在より少なくとも6.6メートル高かったことがわかった。8メートルを超えていた可能性は67%あるという。

 この時期の海面上昇幅についてはこれまで、今回の結果よりも低い4~6メートルとされてきた。

 研究者らは、この時期の海面上昇が年平均6~9ミリであったことも割り出した。20世紀の海面上昇は年平均約2ミリだったが、1993~2003年にはグリーンランドや南極大陸の氷床の溶解などが原因で、年平均3ミリに加速した可能性があるという。

 研究者らは、こうした結果は、持続する小幅な地球温暖化に対する氷床の長期的なぜい弱性を示していると指摘。1.5~2度の温暖化は7~9メートルの海面上昇を招く恐れがあるとしている。(c)AFP