【12月22日 AFP】前週閉幕した国連気候変動枠組み条約(UN Framework Convention on Climate ChangeUNFCCC)第15回締約国会議(COP15)で、コウテイペンギンやオーストラリアのコアラなど、数十種類の動生物が気候変動によって絶滅の危機に瀕すると指摘した報告書が発表された。

 国際自然保護連合(International Union for Conservation of NatureIUCN)によると、すでに生息環境の汚染や縮小などの危機に直面している動生物に、さらに海面上昇や海水の酸性化、極氷の溶解などが追い打ちをかけている。

 報告書では、特にオサガメ、シロイルカ、カクレクマノミ、コウテイペンギン、サケを取り上げ、気候変動により生存の危機にさらされている詳細を明らかにした。

 コアラなどユーカリを主食とする動物については、大気中の二酸化炭素の増加に伴いユーカリの栄養成分が減少するため、栄養不足や飢餓に直面すると警告した。

 南極の過酷な自然環境に適応しているコウテイペンギンも、直面する問題は同様だ。氷冠の融解によって、ペンギンたちは繁殖の場を失い、主食とするオキアミなどの生物も劇減するという。

 サケについては、すでに個体数が減少しているが、これは乱獲に加えて、海水温の上昇で海中の酸素量の低下したためにサケの病気発生率が高まり、繁殖の妨げとなっていることも一因だと指摘した。(c)AFP/Marlowe Hood