100年前のバター、南極の山小屋で見つかる
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【12月16日 AFP】約100年前のバターが2個、当時のままの状態で発見された。英国人南極探検家ロバート・ファルコン・スコット(Robert Falcon Scott)による1910-12年の南極探検で使用されたバターだという。テレビ・ニュージーランド(Television New Zealand)が伝えた。
テレビ・ニュージーランドによると、南極エヴァンス岬(Cape Evans)にある探検隊用宿舎で、宿舎に付属する家畜小屋のバッグの中からニュージーランドのバター2個がみつかった。
南極の極寒の環境により、小屋と小屋内の探検用具は当時のままの状態で保存されていた。しかし近年、劣化の兆候がみられるようになったため、南極歴史遺産トラスト(Antarctic Heritage Trust)が保存活動プロジェクトを開始した。
同トラストのリジー・ミーク(Lizzie Meek)氏は、バターを「掘り出し物だ」と語った。
ミーク氏は探検隊宿舎で「100年近く経っているのに、においがとても強い。さすがにトーストに塗りたいとは思わないけど」と語った。
南極探検家のスコットは、南極探検の際にエヴァンス岬の探検隊用宿舎を基地として使用した。スコットとほかの4人の探検隊は1912年1月17日に南極に到達。しかし、ノルウェーのロアール・アムンゼン(Roald Amundsen)隊が5週間早く南極への初到達を遂げていた。
スコット隊5人は、エヴァンス岬への帰還半ばで全員死亡した。
前月にも、英国の探検家アーネスト・シャクルトン(Ernest Shackleton)が、1907-9年の南極探検の際に使用した小屋の中から、スコッチウイスキーが2箱分見つかるという発見があった。(c)AFP