地中海の水の大部分は2年以内に流入、研究
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【12月10日 AFP】地中海の海水の大部分は、約533万年前に発生した大規模な洪水で、2年以内という短期間に流れ込んだとする研究が、9日の英科学誌「ネイチャー(Nature)」に発表された。
バルセロナの地球科学研究所ハウメ・アルメラ(Institute of Earth Sciences Jaume Almera)のダニエル・ガルシア・カステラノス(Daniel Garcia-Castellanos)氏率いる研究チームによると、海水は大西洋と地中海を隔てるジブラルタル海峡(Strait of Gibraltar)を通って、アマゾン川の流れの3倍の速度で地中海に流れ込んだのだという。
研究によると、地中海は約560万年前に大海から切り離され、海水の大部分が蒸発。その後、約533万年前に大西洋の海水が現在のジブラルタル海峡を通って地中海に勢いよく流れ込んだ。初期のころ、海水は少量ずつ数千年にわたり流入した可能性もあるが、90%の海水は数か月から2年という短期間で流れ込んだという。
ジブラルタル海峡の深さに基づくこれまでの研究は、地中海の海水は1万年から数千年の間に流入したとの説を唱えている。
研究チームは掘削孔と地震データを使い、200キロにわたるジブラルタル海峡の断面を分析し、海峡の断面モデルを使って洪水の期間を予測した。その結果、海底が洪水によって削られていることが分かった。これまでの研究が指摘していたような滝ではなく、数キロにわたる幅の広い巨大な坂を通って、海水が大西洋から地中海に流れ込んだことが判明した。この巨大なスロープは大西洋に数十キロ入ったところから始まり、地中海西部のアルボラン海(Alboran Sea)の中心部に向かっているという。
また、この突然の洪水により1日に地中海の水位が10メートル以上増加したこともあったという。海水の流れ込む速度は時速300キロ以上だったとみられている。
洪水が突然起こった主な要因は地盤の沈下で、これにより地中海の生態系と気候は壊滅的な影響を受けたとされる。(c)AFP
バルセロナの地球科学研究所ハウメ・アルメラ(Institute of Earth Sciences Jaume Almera)のダニエル・ガルシア・カステラノス(Daniel Garcia-Castellanos)氏率いる研究チームによると、海水は大西洋と地中海を隔てるジブラルタル海峡(Strait of Gibraltar)を通って、アマゾン川の流れの3倍の速度で地中海に流れ込んだのだという。
研究によると、地中海は約560万年前に大海から切り離され、海水の大部分が蒸発。その後、約533万年前に大西洋の海水が現在のジブラルタル海峡を通って地中海に勢いよく流れ込んだ。初期のころ、海水は少量ずつ数千年にわたり流入した可能性もあるが、90%の海水は数か月から2年という短期間で流れ込んだという。
ジブラルタル海峡の深さに基づくこれまでの研究は、地中海の海水は1万年から数千年の間に流入したとの説を唱えている。
研究チームは掘削孔と地震データを使い、200キロにわたるジブラルタル海峡の断面を分析し、海峡の断面モデルを使って洪水の期間を予測した。その結果、海底が洪水によって削られていることが分かった。これまでの研究が指摘していたような滝ではなく、数キロにわたる幅の広い巨大な坂を通って、海水が大西洋から地中海に流れ込んだことが判明した。この巨大なスロープは大西洋に数十キロ入ったところから始まり、地中海西部のアルボラン海(Alboran Sea)の中心部に向かっているという。
また、この突然の洪水により1日に地中海の水位が10メートル以上増加したこともあったという。海水の流れ込む速度は時速300キロ以上だったとみられている。
洪水が突然起こった主な要因は地盤の沈下で、これにより地中海の生態系と気候は壊滅的な影響を受けたとされる。(c)AFP