【11月28日 AFP】デンマーク・コペンハーゲン(Copenhagen)で12月7日から18日まで、国連気候変動枠組条約(UN Framework Convention on Climate ChangeUNFCCC)第15回締約国会議(COP15)が開催される。参加予定各国の温室効果ガス排出量削減の中期目標をまとめた。

<先進国>
■米国:排出量世界第2位の米国は、2020年までに2005年比で17%、2025年までに30%、2030年までに42%、2050年までに83%削減するという目標を提示する予定。だが2020年までに17%減という目標は、京都議定書の規定による基準年の1990年比なら、わずか4%減にすぎないと専門家らは指摘している。

■欧州連合(EU):2020年までに1990年比20%削減することを公言。また他の先進工業国が続くなら、30%に引き上げるとしている。

■ロシア:18日に行われた欧州連合とロシアの首脳会議でドミトリー・メドベージェフ(Dmitry Medvedev)大統領が、2020年までに排出量を1990年比で20~25%削減することに同意したとされるが、公式発表はされていない。それまでロシアは、削減率を15%としていた。

■日本:2020年までに1990年比で25%削減を目指すと宣言。ただし「全ての主要国が高度に意欲的な協定に参加すること」が条件。

■カナダ:2020年までに2006年比で20%削減を目指す。これは1990年比で3%削減に相当する。カナダ連邦議会は1990年比で25%削減するという動議を採択した(法的拘束力はない)。一方、ケベック(Quebec)州は欧州連合の方針に従う見通しだという。

■オーストラリア:排出量を2020年までに2000年比で5~25%削減するとの法案が議会に提出されているが、COP15の結果によってはより高い目標を掲げる可能性もある。2000年比で25%の削減は、1990年比24%の削減に相当すると専門家は推定している。

■ノルウェー:2020年までに1990年比で30%削減を目標とする意向を表明。削減目標を30~40%に引き上げることも検討したいとしている。また2030年までにカーボンニュートラル(二酸化炭素の放出と吸収が相殺されている状態)の実現を目指すことも明らかにしている。

■ニュージーランド:COP15の結果に応じて2020年までに1990年比で10~15%削減する目標を掲げている。

<途上国>
■中国:排出量世界第1位の中国は、26日に初めて排出削減目標を発表。これによると国内総生産(GDP)当たりの排出量で2020年までに2005年比で40~45%の削減を目指す。今回の削減目標はあくまで「国情に即した自発的行動」だとしている。

■ブラジル:自発的な削減計画を実施し、何も対策をとらなかった場合の2020年の推定排出量から36~39%削減する目標を定めている。主に、アマゾン熱帯雨林における伐採の抑制により排出量削減に取り組むという。

■インド:排出量削減対策に取り組んでおり、「大まかな目標数値」を定める見通しだが、まだ公式発表はない。また、インドの国民1人当たりの排出量は極めて少ないとして、法的拘束力のある目標を設定するのは先進国のみにすべきだと主張している。

■インドネシア:スシロ・バンバン・ユドヨノ(Susilo Bambang Yudhoyono)大統領が今年9月29日に行った演説によると、主に熱帯雨林における伐採の抑制により2020年までに推定されている排出量から26%削減することを目標としている。同大統領は、国際支援が得られれば、目標値を41%に引き上げることも可能だとしている。

■韓国:2020年までに、特別な対策をとらなかった場合の推計値から30%程度削減すると約束している。

■メキシコ:2012年までに、年間排出量を5000万トン削減することを今年6月に発表。これは国全体の排出量の8%程度に相当する。

■南アフリカ:現時点までに、具体的な削減目標を発表していない。

(c)AFP