【11月24日 AFP】オランダ・アムステルダム(Amsterdam)で23日、4基のエンジンのうち1基でバイオ混合燃料を用いたKLMオランダ航空(KLM Royal Dutch Airlines)のボーイング(Boeing)747型旅客機による試験飛行が行われた。バイオ燃料を用いた旅客機飛行は、世界で初めて。

 KLMのピーター・ハートマン(Peter Hartman)最高経営責任者(CEO)を始め、マリア・ファンデルフーフェン(Maria van der Hoeven)経済相、世界自然保護基金(World Wide Fund for NatureWWF)オランダ支部のヨハン・ファンデグロンデン(Johan van de Gronden)所長、報道陣ら約40人を乗せたKLM機は、アムステルダム近郊のスキポール(Schiphol)空港を飛び立ち、約1時間周辺上空を旋回した後、再び同空港に着陸した。

 飛行を終えたハートマン最高経営責任者(CEO)は「われわれは、バイオ燃料による旅客飛行が技術的に可能であることを証明した」と述べ、今後は継続的なバイオ燃料確保に向けて産官民の団結が必要との考えを示した。

 KLM広報によると、今回の飛行に用いた混合燃料は50%がバイオケロシンで、残りの50%が通常の燃油。米シアトル(Seattle)を拠点とするバイオ技術企業のカメリナ油工場で精製製造されたもの。このため、米国からオランダまでバイオ混合燃料を航空輸送する際に化石燃料を使用しており、二酸化炭素の削減を目指すための相殺措置が必要だという。

 燃料の一部に持続可能なバイオ燃料を用いた航空機の試験飛行は、ヨーロッパで初めてだという。

 KLMは、森林、食料、飲料水に無害なバイオケロシンの入手確保は必須との認識を示した。その一方で、現段階ではバイオ燃料の入手が困難だとして、商業飛行へのバイオ燃料導入目標は設けない方針だという。また23日のテスト飛行について、クリーンで持続可能な航空輸送に向けた第一歩と評した。(c)AFP