【11月17日 AFP】福島(Fukushima)県いわき(Iwaki)市の水族館「アクアマリンふくしま(Aquamarine Fukushima)」の調査隊が17日、インドネシア近海で「生きた化石」と呼ばれるシーラカンスの稚魚の撮影に成功したと発表した。

 シーラカンスは前月6日、インドネシアのスラウェシ(Sulawesi)島マナド湾(Manado Bay)の水深161メートルで見つかった。同地域はインドネシア・シーラカンスが初めて見つかった場所だという。

 映像は、青い体に白い斑点のある体長31.5センチのシーラカンスが、約20分間、ゆっくりと海底の岩の間を泳ぐ姿を映し出した。調査隊は自走式水中カメラを使用して遠隔操作で撮影した。

「アクアマリンふくしま」の岩田雅光(Masamitsu Iwata)さんによれば、シーラカンスの生きた稚魚の撮影は世界で初めてとみられる。撮影されたシーラカンスは生まれたばかりの可能性が高いという。

 以前、今回撮影された稚魚と同程度の大きさの稚魚が、妊娠したシーラカンスの腹から見つかったことがある。シーラカンスの卵は、母親の体内でかえり、十分に成長してから出産されると考えられている。科学者らは今回の発見で、シーラカンスの生態や繁殖の習性が明らかになることに期待を寄せている。(c)AFP