パンダを野生に返す施設の建設に着工、四川省
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【11月15日 AFP】中国でパンダを野生に戻すための研究施設の建設が四川(Sichuan)省で始まった。国営新華社(Xinhua)通信が14日、報じた。建設費は6000万元(約7億9000万円)で、完成は3~5年後となる見通し。 2008年の大地震で8万7000人の死者や不明者を出した 四川省にある成都パンダ繁育研究基地(Chengdu Giant Panda Breeding Research Base)の張志和(Zhang Zhihe)主任は、「現在、人間に飼育されるパンダは約300頭にのぼる。そろそろ、パンダを野生に返すことを考える時期にきている」と、新施設の意義を語る。 新たな研究施設には、パンダ10頭に野生への適応訓練を行う広い敷地が確保される。訓練を終えたパンダは、「半野生区域」で5~10年間過ごし、洞穴での生活や自力で食料を調達する能力を身に着ける。こうした段階を経て、パンダによってはさらに5~10年様子をみた後、最終的に本来の野生環境に放たれるという。 中国内に生息する野生のパンダは約1590頭とみられ、そのほとんどが四川省、陝西(Shaanxi)省、甘粛(Gansu)省に集中している。 これまでに約180頭のパンダが人工繁殖で誕生しているが、パンダの繁殖能力は非常に低いため、個体数の減少が危惧(きぐ)されるパンダの繁殖は順調ではないのが実情だ。(c)AFP