【11月5日 AFP】九州電力(Kyushu Electric Power)は5日、使用済み核燃料を再利用した国内初のプルサーマル発電に向けて、玄海原子力発電所3号機(佐賀県、出力118万キロワット)を起動した。同日夜にも、一定の割合で核分裂の連鎖反応が維持される臨界に達する見通しだ。9日から発電を行うという。
 
 使用するプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料は、内外で批判が高まるなかでフランスで処理され5月に海上輸送されたもの。

 MOX燃料の輸送をめぐっては、反対派が事故による放射能漏れやテロ組織による襲撃などの危険性を指摘している。また、MOX燃料は通常の核燃料よりもプルトニム抽出が容易であるため、国際環境保護団体グリーンピース(Greenpeace)も、MOX燃料が広範囲で使用されれば、核拡散の危険が伴うと警告。地元住民や活動家らも、MOX燃料の輸送、利用の双方に反対している。

 日本でのプルサーマル発電は99年に開始される予定だったが、データ改ざんなどの不祥事が相次いで発覚し、実施されていなかった。(c)AFP