【10月28日 AFP】インドでは、海外から持ち込まれたものも含めて年間推定42万トンもの廃家電製品が発生し、その処分に大きな問題が生じている。ニューデリー(New Delhi)の環境保護団体トキシック・リンク(Toxic Link)が27日、記者会見で明らかにした。

 トキシック・リンクによると廃家電製品は年に10~15%の割合で増えており、2010年までに年間80万トンに達すると予想され、問題は悪化する一方だという。

 政府の公害対策担当者は、廃家電製品の量に関する統計は示していないが、国内で常時稼働しているリサイクル施設は6か所しかなく、年間の処理能力は合計で2万7000トン程度だという。

 廃家電製品が増えている背景には、携帯電話やテレビの急速な技術の進歩、そして家電製品を重要なステータスシンボルと見なす中流階級の増加にともなう需要の増大がある。

 トキシック・リンクによると、廃家電製品にはバリウム、鉛、銅、カドミウムなどの発ガン性金属が含まれているが、こうした電子ごみはたいてい、労働者が素手で分解している。

 こうした懸念を受け、インド連邦環境省の高官は、政府は廃家電製品の輸入を制限しリサイクルを規制する法律を導入する予定だと述べた。今後4~6か月以内に法案ができる見込みだという。

 海外から持ち込まれる廃家電製品の大半は、米国などから寄付された機器で、古い技術が使用されているためにごみ捨て場に直行することになるという。(c)AFP