【10月27日 AFP】(写真追加)オーストラリアの沿岸地域に住む数千世帯が、将来、海面上昇で避難を強いられる恐れがあると警告する報告書が26日、発表された。

 豪政府の国家環境プロジェクト「National Sea Change Taskforce」が同日、議会に提出した報告書によると、今世紀中にオーストラリア周囲の海面が80センチ上昇する可能性があり、緊急な対策が必要だという。

 オーストラリアでは人口の80%が沿岸地域に集中しており、約71万1000世帯が海岸から3キロメートル以内に暮らしている。

 このため、同プロジェクトは関係当局に対し、海面上昇による危険を考慮し、沿岸地域での継続的な居住や新たな住居建設の回避措置を検討するよう求めた。

 報告書は、ほかにも豪州沿岸計画、省庁間の協力、高波や土壌浸食に対応するための建設条例見直しなどを提言している。

 報告書によると、オーストラリアでは主要都市のほとんどが沿岸地域に位置しており、郊外にも600万人が暮らしている。

 豪連邦議会は前週、8月に議会で否決された排出量取引制度の再導入を決定した。同案には、2020年までに25%の温室効果ガス削減を目指した法案が含まれている。(c)AFP