【10月17日 AFP】インド洋の島国、モルディブの閣僚たちは16日、地球温暖化による海面上昇が同国に及ぼす脅威を世界に知ってもらうことを目的とする初の「海中閣議」を翌日に控え、ダイビングの最終リハーサルを行った。

 フル装備した閣僚たちは、同国の首都マレ(Male)から船で25分ほどのギリフシ(Girifushi)島付近の深さ6メートルの海で、ダイビングの練習を2回行った。

 イベントコーディネーターのアミナス・シャウナ(Aminath Shauna)氏は、「海中閣議に向けた準備は万端だ」と語る。モルディブ・ダイバーズ協会(Divers Association of MaldivesDAM)によると、2か月間の訓練を受けた閣僚たちは、前代未聞の閣議に自信満々だという。

 海底にはすでに会議用の机がU字型に並べられている。閣議はホワイトボードと手信号を使って進められる。

 閣僚たちが会議で使用したウエットスーツは、閣僚たちがサインした後、17日にオープンする予定のウェブサイト「protectmaldives.com」でオークションにかけられる。収益は同国のサンゴ礁保護のために使われるという。

 閣僚14人のうち、健康上の問題がある2人と訪欧中の1人の計3人は海中閣議に参加しない。当日は、閣僚の安全のため、軍が熟練したダイバーを派遣する。

 国連(UN)の気候変動に関する政府間パネル(Intergovernmental Panel on Climate ChangeIPCC)は2007年、2100年までに海面水位が18~59センチ上昇し、モルディブは事実上居住不可能になるとの報告を発表している。(c)AFP