【9月2日 AFP】中国の大気汚染は、過去50年間にわたって農業や水資源に不可欠な「小雨」の減少を招いている――。中国人研究者が1日、このような論文の内容を明らかにした。

 スウェーデン、米国、中国で最近実施された調査によると、中国では1956年から2005年の間に、年間降水量はほぼ安定しているものの、小雨(1日あたりの降雨量が0.1ミリ以下)の日数が23%も減少した。

 スウェーデンのイエーテボリ大学(Gothenburg University)の研究員、Deliang Chen氏は、その理由を、エアロゾル粒子と呼ばれる大気汚染物質粒子が雨雲の生成をさまたげているためと説明する。

 小雨の減少は、農業にも影響を及ぼすという。大雨は土壌を流し、水がしみこまないばかりか浸食や洪水をもたらすのに対し、小雨は土壌にしみこみやすいため、農業では頼りにされている。そのため小雨は「良雨」とも呼ばれている。

 Chen氏は、「大気汚染が気候にとってだけでなく、農業や経済にも悪影響を与えることは明らかだ」としている。(c)AFP