【7月22日 AFP】妊婦を大気汚染にさらすと、産まれてくる子どもの知能指数(IQ)に重大な影響を及ぼす可能性があるとする研究結果が21日発表された。

 子どもの環境衛生について研究する米コロンビアセンター(Columbia Center)は、ニューヨーク(New York)で人口密度の高いハーレム(Harlem)とブロンクス(Bronx)に暮らす子ども249人の知能の発達を5年間にわたり調査した。

 その結果、高濃度の環境汚染物質PAH(多環式芳香族炭化水素)に接した子どもほどIQに悪影響が出ていることがわかった。汚染物質に最も頻繁に接している子どもでは、全く接していない子どもに比べてIQが4.31-4.67ポイントほど低かったという。

 PAHは、石炭やディーゼル燃料、ガスの燃焼で生じる有毒な汚染物質だ。

 調査を率いたフレデリカ・ペレラ(Frederica Perera)同センター長によると、こうした汚染物質がIQに及ぼす影響は、低濃度の鉛に接した場合の影響に類似しているという。

 ペレラ氏は、「IQは将来の学校の成績に影響するうえ、PAHが世界中、特に都会に拡散していることから、今回の結果は懸念される。しかしPHA濃度は大気汚染対策や代替エネルギーの開発などで減らすことができる」と話している。(c)AFP