【7月10日 AFP】米国海洋大気庁(National Oceanic and Atmospheric AdministrationNOAA)は9日、太平洋の海水温が平年より高くなるエルニーニョ(El Nino)現象が発生しつつあり、世界中の気候パターンが確実に変化するだろうとの見方を示した。

 エルニーニョ現象は、太平洋の中央部と東部の海水温が周期的に上昇するもので、2年から5年おきに発生し、通常は約12か月間続く。

 同庁は、現在のエルニーニョ現象は今後数か月以内にさらに強まる可能性が高く、2010年初頭まで継続することが予想されるとしている。

 エルニーニョ現象は、大西洋のハリケーン活動を抑制して、米国南西部の乾燥地帯の冬に恵みの雨をもたらすことが知られている。その一方で、冬季には米カリフォルニア(California)州に非常に激しい嵐を、米国南部一帯に大荒れの天候をもたらすという弊害もある。また、中米と南米には大洪水や土砂崩れ、インドネシアには干ばつをもたらす。

 NOAAは、経済や財産、人命を守るため、政府や産業界、緊急事態管理者に対し高い頻度でエルニーニョに関する情報を提供していくとしている。(c)AFP