【6月24日 AFP】デンマークは23日、ポルトガルのマデイラ島(Madeira)で開催中の国際捕鯨委員会(International Whaling CommissionIWC)年次総会で、グリーンランド(Greenland)沖でのザトウクジラの捕獲再開への許可を正式に要請した。

 デンマーク代表のOle Samsing氏は、自治領グリーンランドを代表して、2010-12年のザトウクジラの年間捕獲枠10頭を求めた。また、これと引き換えにミンククジラの年間捕獲枠を現在の200頭から178頭に減らすことを提案した。
 
 ザトウクジラの商業捕鯨は1966年のモラトリアム(一時停止)で禁止されたが、グリーンランドでは、モラトリアムが先住民の生活を維持するための生存捕鯨にも適用された1987年までザトウクジラを合法的に捕獲していた。

 デンマークの提案は環境保護団体の反発を招いている。

 世界クジラ・イルカ保護協会(Whale and Dolphin Conservation SocietyWDCS)は1991年以降、グリーンランドはおおむね年間捕獲枠の77%しか捕鯨してこなかったことを指摘。生存捕鯨に関する小委員会の委員長を務めるポルトガル代表のJorge Palmeirim氏も23日、IWC科学委員会が年間10頭を捕獲してもザトウクジラの個体数には影響しないとの結論を出しているとしながら、「デンマークが捕獲枠を拡大する必要があるのか明確ではない」と慎重な姿勢を示した。(c)AFP