【5月22日 AFP】オーストラリア政府は22日、同国南東部のタスマニア(Tasmania)島にのみ生息する肉食性の有袋類、タスマニアデビル(Tasmanian devil)を絶滅危惧(きぐ)種に指定した。ピーター・ギャレット(Peter Garrett)環境相が、明らかにした

 タスマニアデビルは致死性伝染病の感染が1996年に確認されて以来、頭数が70%も減少している。

 この伝染病は、顔面に腫瘍が発生するもので、かみ傷を通して感染する。顔面にできた腫瘍は徐々に肥大し、口からの食物摂取を妨げ、3か月以内に死亡する。

 オーストラリア政府は、これまでタスマニアデビルを1段階低い「絶滅の危急(vulnerable)にある種」としてきたが、「絶滅危惧(endangered)種」に指定することで、環境法に基づいて、タスマニアデビルに、より広範囲の保護対策を施すことが可能となる。

 豪政府は、伝染病の治療や個体数回復の研究などを含むタスマニアデビルの保護対策計画に、5年間で1000万豪ドル(約7億3000万円)を投入すると発表した。(c)AFP