【5月15日 AFP】スペイン国立研究協議会(CSIC)は13日、新技術を用いた測定を実施し、マドリード(Madrid)とバルセロナ(Barcelona)の2都市で大気中からコカインが検出されたと発表した。

 測定は、大気中のドラッグ濃度を検出する新方法を初めて用いたもので、5種類の違法薬物(コカイン、アンフェタミン、アヘン、カンナビノイド、リセルグ酸)の構成物質17種について、大気中の有無を調べた。その結果、マドリードとバルセロナの大気には、1立法メートル中、29から850ピコグラムと、高濃度のコカインが含まれていることが分かった。

 マドリードで採取された大気サンプルからは微量のヘロインも検出されたが、バルセロナのものからは検出されなかった。これは、マドリードで大気サンプルを採取した地域が、麻薬密売が疑われる地区に近いためだという。また、検出される薬物濃度は週末にさらに高くなっているが、これは「この期間に(薬物の)消費量が増加している」ことを示唆しているという。 

 こうした結果についてCSICは、人間が1000年生きたとしても、今回検出された量と同量のコカインを大気中から吸入する恐れはなく、一般市民が懸念する必要はないと結論づけている。(c)AFP