【4月6日 AFP】北極海の海底に眠る豊富な資源を前提とした各国の領有権の主張と、自然の聖域ともいえる南極大陸の環境保全を主要議題とする初の国際会議が6日、米メリーランド(Maryland)州ボルチモア(Baltimore)で行われる。

 南極条約協議国会議(Antarctic Treaty Consultative MeetingATCM)と、北極圏8カ国の政府会議である北極評議会(Arctic Council)が共同開催し、北極と南極の将来について話し合う会議は今回が初めて。主催するヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)米国務長官が議長を務める。

 米国務省によると、北極・南極の利用が議論の焦点になる予定で、同省では「2つの極地圏に関わる最も重要な2つの会議をひとつにする会議」と位置づけている。

 同時に、ワシントンで行われた南極条約の締結から今年は50周年を迎える。米国務省は南極利用を「平和目的のみに限定するとともに、科学的調査の自由を保証する」ことを定めた「近代初の多国間軍縮条約」の歴史的重要性が、今回の会議によって強調されるとも言及している。

 ただし、表向きの議題には南極大陸の平和利用や科学調査の自由が掲げられているが、参加国の議論と関心は北極周辺の大陸棚に眠る豊富な石油・天然ガス資源に集中するとみられている。(c)AFP/Sylvie Lanteaume