【2月28日 AFP】違法伐採による生息地の減少などが原因でトラによる襲撃が相次いでいるインドネシア・スマトラ(Sumatra)島で、絶滅の危機にあるスマトラトラが、地元住民らが仕掛けたわなにかかり殺された。同島では今月に入り、今回を含めトラ4頭と住民6人が殺されているという。自然保護団体の世界自然保護基金(World Wildlife FundWWF)が27日、明らかにした。

 WWFの広報担当者は、「われわれは24日、スマトラトラ1頭が地元住民のわなにかかり、殺されたことを確認した。このトラは22日に住民2人を襲撃したトラだ」と語った。

 ニュースサイトDetikcomによると、インドネシアのM・S・カバン(Malam Sambat Kaban)林業相は、「勝手にスマトラトラを殺してはいけない。どんな理由にしても、保護されるべきものだ」と述べ、地元警察に対してトラを殺した人物を逮捕するよう要請したという。

 WWFによると、現在、野生のスマトラトラは400頭以下しかいないとされているが、人との接触が増加している背景には、伐採によって生息地が減少していることが挙げられるという。スマトラ島では過去22年間で約1200万ヘクタールの森林が伐採されており、これは島全体の約50%に達するという。(c)AFP