【2月26日 AFP】国土の北半分がサハラ砂漠というチャドでは、森林保全と砂漠化進行の防止のため、前年12月から「木炭」の使用が禁止されているが、その厳しい措置に国民の間で不満が高まっている。

 当局者によると、前年12月に発効した制裁措置で、木炭を運搬する車両については焼却処分され、取引に関与した者については逮捕されることになった。

■貧困層や生業としている人びとに打撃

 だが、貧しい住民たちからは、調理用の代替燃料としてガスを購入する経済的余裕はないとの悲鳴が上がっている。木炭を売って生計を立てている人にも大打撃だ。
 
 チャド当局は、古い木であれば使用してもよいとしているが、若い木と古い木を判別することは困難だ。そのため、木の種類を問わずまきの売買を全面的に禁止している村もある。

 セネガルなどでも、砂漠化防止の一環として、木炭からほかの燃料源へ転換させる取り組みが行われているが、必ずしも成功を収めているわけではない。チャドにおけるこうした取り組みも、先行き不透明だ。

■木炭の不足でガスも不足

 政府は、助成金を出して、天然ガスのボンベの値段を木炭よりも最大で50%安くしているが、最貧困層にとってはそれでもガスに切り替える余裕はないという。

 さらに、木炭とまきの不足は代替燃料への需要を押し上げ、ガス不足を招いている。その結果、ガスの販売所には人々が長蛇の列を作っているという。(c)AFP/Patrick Fort